【 HDDの寿命は5年が目安 耐用年数は使用時間と環境で変動 】

HDDの寿命は5年が目安

HDDは消耗品です。HDD以外のパーツが故障しても取り換えできますがHDDのデータは取り換えができません。

HDDの寿命が来て突然の故障で慌てる前に、どういった操作で長くなったり短くなるのかを解説します。

目次

5年以上で黄色信号

HDDの寿命は平均すると5年程度。
10年経過しているなら、いつ故障してもおかしくない状態です。



HDD故障のバスタブ曲線です。使用開始直後は初期故障が多くなります。その後は1~5年は安定することが多いです。5年から故障が増え始めて10年が経過すると急激に故障が増えます。

【関連URL】
 バスタブ曲線

引用:故障率(バスタブ)曲線とは機械や装置が運用され始めてから、寿命までの期間を「初期故障期」「偶発故障期」「摩耗故障期」の3つに区分したグラフで見られる曲線

アメリカのオンラインストレージ企業Backblaze社が公開しているデータエラーが発生するのは3年目以降の調査結果があります。

メーカー公式の寿命について見解

WD(HDD製造メーカー)

WD社(Western Digital)は、アメリカのHDD製造メーカーでトップシェアを誇る会社。公式見解でも5年が推奨となっています。

【関連URL】
 HDDの寿命は?(WD公式)
 世界のHDDシェア・出荷台数ランキング

HP(パソコンメーカー)

HP社でも同様に5年が寿命となって発表されています。


【関連URL】
 パソコンシェアランキング
 HDDの信頼性の測定方法

HDDに寿命がある理由

他の機器と比較すると寿命がある理由が分かります。

SSDとHDDを比較

SSDには機械的な可動部品がありません。HDDにはモーターやアームなどが内蔵されています。


FANとHDDを比較

FANは部品点数が非常に少なく構造もシンプルです。

HDDの内部構造

HDDは部品点数も多く内部構造は非常に複雑です。


稼働する部品であるモーターやヘッドなどは長年の使用することで常に振動が加わり、部品全体にダメージが蓄積されて寿命が来るのが早くなります。

また部品点数が多いほど、故障するリスクは高まります。数点しか部品が存在しないFANと10個以上の部品が搭載されているHDDでは故障するリスクが2倍違います。

パソコンで使われている部品の中で故障確率が一番高いのはHDDです。

つまりパソコンの寿命 = HDDの寿命と考えてください。

寿命をチェック方法

パソコン内部に収納されているHDDの劣化を見分けるのは困難です。微かな異音や動作速度が低下などを手掛りとしてください。


1.HDDの累計使用時間

HDDの検査ツールフリーソフト「CrystalDiskInfo」で寿命を調査できます。10,000時間が交換推奨の目安です。


2.HDDの製造年式

HDDの製品ラベルには製造日の記載があります。製造から5年以上経過しているなら交換推奨。


3.HDDの製造メーカー

HDDは型番(部品のモデルごと)によって品質が違います。特定のHDD型番で故障が多いのはデータ復旧業界の常識です。。


【関連URL】
 お勧めできないSeagate製のHDD


4.パソコンの発売時期

購入時期が5年以上前なら要注意。もしパソコンのOSがWindows8の時代のものなら10年近く経過しています。またHDDのサイズが500G以下のパソコンなら製造から確実に10年が経過しているため危険です。


5.音の状態

小さな音が出ていないか確認してください。昔と比べて内部からカリカリと音がしているならHDDが劣化しています。


【関連URL】
 HDDから発生する異音の事例集


6.動作速度


以前とくらべて大きいサイズのファイルコピーが以前と比べて遅くなった。または突然、再起動するならHDDが劣化している可能性があります。不要なソフトを削除することで、動作を軽くしてみるのも一つです。

寿命が近い前兆の症状

SMARTエラー

HDDの劣化が進行した状態です。早急な対応が必要となります。

【関連URL】
 SMARTをチェックするフリーソフト一覧
 一番簡単 CrystalDiskMarkでSMARTを調べる方法
 HDDは消耗品。壊れる前の予防交換


動くたびにチリチリ・カチカチと微妙な音が出ている


異音は劣化で分かりやすいシグナルです。こまめなバックアップを実施して早めの対策を行ってください。

【関連URL】
 HDD異常音の事例一覧

ごくまれに「ガリっ」という音が出る


劣化の進行というよりも壊れる直前の症状です。一瞬、何の音なのか気になっても普通には使えてしまうため見過ごされてしまうため注意してください。


HDD寿命は運次第というデータもある

HDDの寿命が5年程度というのは修理の現場感覚でも合っていると思います。ただしHDDの経過時間と故障には相関がなかったというデータも発表されています。

【関連URL】
・Googleが10万台のハードディスクを使用した結果
 HDDは温度や使用頻度に関係なく故障するという結論
 GIGAZINE(2007年)

・メーカーが開示しているハードディスクの平均故障率は間違っている
 ライブドアニュース 2007年
 usenix.org 2007年


どちらのデータもHDDの寿命(故障)は、つまるところ「運」と言わざるを得ない結論になっています。


弊社でもSeagateの特定モデルがダントツに故障率が高いため注意喚起しています。

【関連URL】
  HDDメーカーの中で故障確率が高いメーカーがSeagate製HDD

よくある質問

Q:寿命は平均5年という情報が多いですが、使用しなければ長持ちしますか?


A: HDDが故障するきっかけはヘッド、モーターなど可動する部品が原因です。理論的には使用回数が少なければ5年が経過していても故障確率は少なくなります。HDDは突然故障することもあるため使用回数だけを目安にはしないでください。
10年以上前のHDDの記事ですが、HDDの故障は使用頻度や温度に関係なく壊れるというデータもあります。

【関連URL】
 Googleによると、ハードディスクは温度や使用頻度に関係なく故障する

Q:HDDから引っかくような音がします。HDDは寿命ですか?


A: 絶対的ではありませんが異音が大きいほど故障(劣化)が進行している傾向があります。HDDから発生する異音の事例集の「異音は発生しているがデータは正常」のような音であれば黄色信号です。

まとめ

HDDの使用年数が5年経過したからといって必ず故障するとは限りません。使用頻度や環境、製造時の精度などで寿命は大幅に前後します。

もし、これまでHDDの寿命を意識されなかったとしたら、故障する前にパソコンを買い換えていた。もしくは運がよかったのかもしれません。

故障する確率は年数経過とともに増加することだけは間違いありません。しかし予測することは困難です。

HDDが壊れてしまうと数日は、直したり買い替えるために仕事が止まってしまいます。データが失われる前に早めの対策を行ってください。

【関連URL】
 パソコンの寿命
 液晶モニタの寿命
 SSDの寿命
 USBメモリの寿命
 バッテリー寿命


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