パソコンの寿命は5年が目安
使用部品の中ではHDD(ハードディスク)の故障が多い
パソコンの寿命 = HDDの寿命
目次
買ったばかりで故障する原因は?
パソコンには多数の電子部品を使用されていますが、故障するときはその中の部品の1つです。
そのため使用部品が多くなるほど故障率は増えます。
故障は使用期間の範囲内で一定に発生しません。使用を開始した直後の「初期故障」が多いです。この現象をバスタブ曲線と言います。
「初期故障期間」が購入してから
半年もたたずに壊れてしまう原因の一つです。
初期故障期間は過ぎているが、使用時間が短いのに故障した場合は、たまたま運悪く良くない製品に当たってしまったというケースが多いです。
だいたいパソコンの寿命は何年?
寿命(劣化)で故障しやすいのはHDDとバッテリーです。(初期不良除く)
バッテリーは劣化が進んでも使用できる時間(放電時間)が短くなるだけで完全に使えなくなるまでには数年がかかります。
HDDも劣化が進むと小さな音が出てきたりセクタエラーが発生しますが故障するとパソコンが使えなくなります。
HDDの寿命は平均すると5年程度です。
HDDの寿命が来るとパソコンが使えなくなる故障になることが多いです。そのためHDDの寿命が5年とした場合にパソコンの寿命は5年になるとお考えください。
HPの社の見解では3年となっていますが、パソコンの「故障」ではなく「寿命」が3年で使えなくなるというのは年数が少なすぎると感じます。
故障する年数ではありませんが、国税庁の耐用年数基準では4年でパソコンの価値が無くなるとされています。
*パソコンを構成している部品はさまざまな要因が積み重なって故障します。使い方によっては10年以上使えるということもありますし初期不良により1-2年で故障することもあります。デスクトップとノートパソコンどちらが寿命が長い?
最も故障が多いHDDだけで考えると寿命は同じです。しかしノートパソコンの方が、スペースに制限があるため小型のHDDが使用されています。
ノートパソコンは2.5インチサイズ。デスクトップパソコンは3.5インチサイズのHDDが一般的。窮屈なため排熱にも限界があります。
2.5インチの方が3.5インチのHDDよりも寿命が短いとは言い切れませんが、デスクトップパソコンにはバッテリーが存在せず、排熱効果も高いです。
厳密にいえばノートパソコンよりもデスクトップパソコンの方が寿命は長いとは言えるでしょう。
遅くなったから寿命が近い訳ではない
WindowsのOSは使い続けると遅くなるのが普通です。不要な設定情報や起動するたびに生成されるOSのゴミファイルが溜まっていくことが理由です。
HDDが劣化(寿命が近い)することで遅くなっていることもありますが、OSを再インストールすれば改善されるケースも多いです。
必ずしも、遅くなったから = 寿命が近いとは限りません。
【関連URL】
パソコンの速度が遅くなる理由と改善させる方法
部品の構造から寿命を分類
部品の構造から見た故障部品のランキングです。
1位 回転動作がある部品
HDD・FAN
2位 電池
バッテリー・CMOS電池
3位 機械動作が内蔵された部品
キーボード・タッチパット・マウス・ヒンジ・DVDドライブ
4位 液体コンデンサがある部品
マザーボード・グラフィックボード・電源BOX
5位 電子基板
メモリ・CPU・無線、Bluetoothカード
部品ごと寿命の一覧表
部品 | 寿命 | 特徴 |
---|---|---|
HDD | 5年 | ・内部で使用されている部品点数が多い ・常時回転し続けてヘッドが複雑に動く |
液晶モニタ | 5~10年 | ・現在のモニタはほぼLED液晶のため長持ち |
FAN | 3~10年 | ・モデルによっては異音が発生する時期が早い |
マザーボード | 10年~ | ・電子基板のため可動部分は無し |
CPU | 30~50年 | ・構造がシンプル |
バッテリー | 2~5年 | ・モデルの個体差が大きい |
DVD・ブルーレイドライブ | 5年~10年 | ・使用頻度がユーザごとに大きく異なる。レンズ部分が故障します。 |
キーボード・タッチパット | 10年~ | ・寿命で故障することは少ない |
HDD
HDDの寿命は平均すると5年程度。
パソコンの中で駆動する部品はFANとHDDです。HDDの方が、部品点数も多く内部構造は非常に複雑。
HDDが故障する原因は駆動部品(ヘッド・プラッタ・モータ)が多いためです。
【関連URL】
HDDの寿命について
液晶モニタ
5年~10年が目安。
画面が色合いが変わってきたら買い替え推奨です。
【関連URL】
液晶モニタの寿命について
FAN
3~10年が目安
FANは可動する部品ですが、部品点数が非常に少なく構造もシンプルです。
寿命で故障する原因はベアリングが摩耗するのとグリスが切れるためです。富士通のNFシリーズなどFANが故障しやすいモデルも存在します。
マザーボード
10年が目安。それ以上持つことも多い。
マザーボードは電子基板ですが寿命で故障というケースは少ないです。実際には寿命が来る前に買い替えることが多いです。
CPU
一般的には30~50年と言われます。
実際には寿命の測定は困難です。CPUは製品のライフサイクルが早いため寿命が来る前に、事実上使い物にならなくなり、新しいCPUに置き換えられます。
バッテリー
2~5年が目安
バッテリーも実際の寿命測定は困難です。多数の要因があります。
・アダプタは使わないバッテリー稼働時間の累計
・充電の仕方(完全に放電してから充電した方が長持ち)
・温度
HPの社の見解では2~4年となっています。
パソコンメーカー各社の部品保管期限
メーカーは部品の保管期限が切れると修理の依頼がメーカーにはできません。メーカーは部品保管が無い = 修理不可となります。
*弊社ではメーカーが定めた期限を超えるような年式が古いパソコンでも回収したドナーパーツを多数保有しているため対応可能です。
寿命に関する質問
Q:メーカーの保証期間が1年間の理由
A:
パソコンの故障が発生する時期で多いのは、上記のバスタブ曲線にある「初期故障」の期間です。そのため多くのパソコンメーカーが保証期間を1年としています。
Q:パソコンの使用回数が少ないのに壊れるのは?
A:
パソコンのトータルの起動回数・動作時間が少なくても故障することがあります。
・温湿度変化による結露発生等によって引き起こされる回路基板や部品の腐食
・静電気が蓄積されることによる影響
・埃の蓄積やカビの発生による影響
・振動、衝撃による影響
・長期間の放置による部品等の劣化、消耗
ただし、使用時間が短いのに故障する一番の原因は、たまたま運悪くよくない製品に当たってしまったというケースが多いです。
まとめ
パソコンの使用年数が寿命を経過したからといって必ず故障するとは限りません。使用頻度や環境、製造時の精度などで寿命は大幅に前後します。
パソコンは調子が悪くなくとも突然故障する可能性は年々増加します。機械製品はいつかは故障します。予測することは困難です。
これまでパソコンの寿命を意識されなかったとしたら、故障する前にパソコンを買い換えていたからです。
実際の寿命が来る前に買い換えているが現実だとすると
パソコンの寿命とは、つまるところ「運」
と言わざるを得ないのかもしれません。
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液晶モニタの寿命
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USBメモリの寿命
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